長野県に避難している家族が集まって、「こんなことができたらいいな」という思いからスタートした当事者団体です。
避難しても、慣れない土地で不安に思うこと、周囲に友だちがいなくてさびしくなること、子育てで心も体も疲れること、これからの生活のことなどを考えていると、つらくなることもあります。それはみんな同じでした。
まずは連絡の取れる範囲で声を掛けあって会議をしました。どんなふうにすればいいのか意見を出し合い、まず、メーリングリストを作ること、困ったときにはいつでも行ける、駆け込み寺のような拠点を作ることにしました。それが「小赤の家」です。
楽しいイベントもやりたいね。野菜を作ってみたい。一緒に食事会をやろう。つながりあうことで皆さんの思いを形にしていきましょう。この考えに賛同してくださった多くのサボーターがいます。理解をしてくださった地域の人たちがいます。信州での暮らしを一緒に楽しみましょう。
これからのこと・・・
避難者同士が孤立しないように、安心して暮らせるようにということからスタートしてはや、2年が立ちました。
その間に、汚染の状況が関東広域であること、健康被害は思っているよりずっと早いスピードで進んでいること、そして避難後であっても体調不良はおきやすく、支援したくてもできない状況が起きてきています。
しかも日本の国の体制はどんどん変わってきていて、片方でじゃじゃもれの原発で労働者の安全も守られていない、除染とは名ばかりでそこかしこにブルーのシートにおおわれただけの高放射性物質がある環境で、子ども達は普通に遊んでいるというおかしなことになっています。
東京では、オリンピックのほうが大事になってしまいました。
みえないつなみはもう日本中を覆ってしまったかのようです。
今までのような延長上の支援では追いつかないと感じています。
すでに避難している人たちの交流の場などは、すでに松本近辺にはたくさんできています。すでにこの土地になじみ、避難者であることをもう言いたくないという人も増えてきています。
来年は、もう一度根本的な目標である「子どもたちを守る」ことのために何ができるかを考え直し、実行していこうと思っています。
2013年12月
手をつなぐ3.11信州 代表 森永敦子